作曲家新垣隆と、教え子の桐朋学園出身・若き弦楽五重奏団QREHA Stringsによる室内楽の饗宴
作曲家・新垣隆のゴーストライター騒動から10年…「新たなるゴースト」を携えて
桐朋学園教え子の若手アーティストからなる弦楽五重奏団QREHA Stringsと饗宴を繰り広げる。
新垣隆・最新作トリオ「幽霊の主題による新作」世界初演!
新垣隆・14歳時の傑作「ピアノのためのソナタ」を若手ピアニストが再演!「旧東京音楽学校奏楽堂」にて、建立と同時代を生きた幸田延・ショスタコーヴィチ・バルトークの隠れた名作を弦楽五重奏団が全身全霊で演奏。このスペクタクルを見逃すな!
日時:
2023年12月7日(木)18:30(開場 18:00)
20:30終演予定
場所:
旧東京音楽学校奏楽堂(上野)〒110-0007 東京都台東区上野公園8−43(上野駅公園口より10分)
プログラム:
ショスタコーヴィチ:2つのヴァイオリンとピアノのための5つの小品
幸田延:ヴァイオリンソナタ第1番
新垣隆:ピアノのためのソナタ(1985)
新垣隆:「幽霊」の主題による新作(2023)
バルトーク:ピアノ五重奏曲 Sz.23
出演:
新垣隆(お話、Pf.)
QREHA Strings(クレハ・ストリングス)弦楽五重奏団
本荘悠亜(司会、Pf.)、伊勢田咲子(Vn.)、清水健太郎(Va./Vn.)、佐藤友希乃(Vn.)、舘野真梨子(Vc.)
チケット
一般 4,000円/大学生以下 2,500円
応援チケット(入場できないがアーティストを応援したい場合)3,000円
後日公開
- プレミアムチケットA/B(特別グッズつき)10月発売予定!
- 本公演によせた特別イラストが掲載されたオリジナルグッズを、「プレミアムチケット」購入者特典として完全受注生産限定でプレゼントします。詳しくはSTORESチケット販売ページにてご覧ください。グッズは別途ご自宅まで発送いたします。
- プレミアムチケットの販売は10月開始を予定しています!お楽しみに。
- 特別グッズはA,Bプランによって違うグッズとなります。
チケット入手方法
チケットぴあ(紙のチケット)、STORES(電子チケット)にて販売中!
主催者からのメッセージ~コンサートに寄せて~
作曲家・ピアニストである新垣隆氏とその愛弟子により結成されたQREHA Stringsが演奏する新企画コンサート、『新垣隆×QREHA Strings(クレハストリングス)』。新垣隆先生は、ゴーストライター騒動により、いちどは桐朋学園を退任、4年前に桐朋学園大学富山キャンパスにある大学院の特任教授として復職されました。
その後、「シブヤ音楽大学」学長、人気バンド「ジェニーハイ」メンバーとして自由な音楽活動にて人気を博してきました。桐朋学園大学院・オーケストラアカデミーが富山県富山市にあることは一般には広く知られていませんが、濃密に音楽を学べる場所として、若き音楽家の中では人気を博しています。
そこの在学生・卒業生を中心に昨年度結成されたのが、QREHA Strings(クレハ・ストリングス)。「クレハ」とは、桐朋学園富山キャンパスが位置する富山市「呉羽町(くれはまち)」から取られた造語です。
メンバーは、この地で「呉羽寮」にて共同生活をおこない、各々の音楽を極め、笑い、泣き、そして新垣氏から厚く指導を受けました。「クレハ」で学び、新垣氏の薫陶を受けた若手演奏家たち。
ヴァイオリニスト2名、ヴィオリスト1名、チェリスト1名、ピアニスト1名による華麗なる弦楽クインテットが、今ここに爆誕します!
今回の舞台は、重要文化財に指定にもされている日本最古の木造の洋式音楽ホールとして、日本のクラシック音楽黎明期の拠点となった「旧東京音楽学校奏楽堂」。明治23年(1890)に建立された「旧奏楽堂」。当時、東京音楽学校で教授として教鞭をとっていた、女流作曲家「幸田延」の作品と、また1900年前後の同時代を生きたヨーロッパの音楽家たち(バルトーク・ショスタコーヴィチ)の作品を取り上げます。
バルトークはハンガリー、ショスタコーヴィチはロシアの作曲家ですが、ともに非常に民族色が強く、国柄を強く反映した名作を多く世に出しました。今回の2曲はどちらも爽やかで若く鮮烈な印象を残す作品ですが、特にバルトークの「ピアノ五重奏曲」は40分以上あるエネルギッシュな大曲であり、コンサートに大きな華を咲かせます。
今回、なぜ「幸田延」なのか。それは、新垣隆先生が富山キャンパスでの授業において、常にテーマとしておられたのが「幸田延」だったからなのです。大日本帝国憲法発布直後、奏楽堂建立と同じ1890年、幸田延は日本初の音楽留学生としてウィーンへと留学します。幸田がバルトークやショスタコーヴィチの実演に触れる機会はおそらくなかったと思われますが、聴いていたとしたら、とてつもない感想を抱いたことでしょう。
幸田が初めて海を渡り、西洋音楽に触れた時の感動。幸田がそれを持ち帰った「旧奏楽堂」のまさにその場において、今「洋の東西交流」をよみがえらせます。そして、今回は特別ゲストとして新垣氏をお迎えするにあたり、2つのスペシャルなプログラムをご用意しました。
1つ目は、新垣隆氏が、「ベートーヴェンの『幽霊』トリオ」の主題をテーマとした、最新作のピアノトリオを世界初演いたします。「幽霊」という名からもお気づきの通り、「ゴースト」であった新垣先生が新たなる「ゴースト」を携え、この上野にあらわれるのです。
2つ目は、YouTubeでも27万回再生を超える、新垣氏14歳時に作曲された、「ピアノのためのソナタ」。こちらは新垣氏の天才ぶりを端的に示す作品として、あえて新垣氏本人ではなく、その意思を継いだピアニスト本荘悠亜が演奏をおこないます。2つの意味で、記念碑的なコンサートとなることでしょう。
フリーランスの奏者として活動しながらも、今後の研鑽の決意表明として結成されたこのQREHA Strings。そして、ピアニスト・教育者としての顔は表舞台にはあまり現れてこなかった新垣氏の本人のピアノ演奏。面々それぞれが紡ぐ「いま」がはじける音楽を、ぜひご期待ください。
出演者プロフィール
QREHA Strings(クレハ・ストリングス)
桐朋学園富山キャンパスの在学・卒業生により、ピアニスト本荘悠亜が発起人となり、2023年に結成された弦楽クインテット。全員が富山市呉羽町(くれはまち)で学び、音楽に打ち込み、新垣隆氏の薫陶を受けた。機動性高く、エネルギッシュでスリリングな勢いにあふれる弦楽五重奏として、縦横無尽にクラシックの世界を表現する。全員がフリーの奏者としても活躍し、現在都内・富山を中心に活動の幅を広げている。
新垣隆(にいがき・たかし)
作曲家・ピアニスト
1970年東京都出身。4歳よりピアノを始める。桐朋学園大学音楽学部作曲科卒業。作曲を南聡、中川俊郎、三善晃、ピアノを森安耀子の各氏に師事。2014年、ゴーストライター騒動により、桐朋学園大学の講師を依願退職。その後様々な支援により音楽活動が継続され今日に至る。「ピアノ協奏曲新生」、「交響曲連祷 Litany」を発表。コンサートのための作品、バレエ、映画、ゲームなど様々なジャンルの作曲も手がける。川谷絵音プロデュースのバンド「ジェニーハイ」にキーボードとして参加。2018年、桐朋学園大学講師に復職。2019年、富山桐朋学園大学院大学特任教授に就任。2020年、大阪音楽大学客員教授に就任。教育の分野において重責を担う。日本現代音楽協会、日本演奏連盟会員。
本荘悠亜(ほんじょう・ゆうあ)
1995年生まれ、滋賀県出身。ピアノを歌手のように歌わせ、奥底から美しい響きを引き出すピアニスト。滋賀県ピアノコンクール小学校高学年部門および高等学校部門第1位。大阪国際音楽コンクールPOA部門ファイナルにて最高位。熊谷ひばりピアノコンクールグランプリ。下田国際音楽コンクール奨励賞。YYA国際ピアノコンクールファイナリスト。学内オーディションに合格し、チャイコフスキー《ピアノ協奏曲第1番》を桐朋アカデミーオーケストラと共演。
灘高等学校、東京大学文学部卒業。桐朋学園大学院大学ピアノ科修了(修士)。 優秀な成績により桐朋学園大学院大学奨学金を2年連続授与される。
これまでに稲垣聡、クラウディオ・ソアレス、高橋いつき、岡田博美、鶴見彩、黒木洋平の各氏に師事。室内楽を銅銀久弥、川久保賜紀の各氏に師事。
有限会社ルミアデス・ソリューション音楽ディレクター、ピアノ指導者として「おんがく学び舎」運営のユアイズム代表も務める。
伊勢田咲子(いせだ・さきこ)
千葉県出身。6歳よりヴァイオリンを始める。
東京音楽大学付属高校を経て、桐朋学園大学音楽学部を卒業。第5回おんきょう音楽コンテスト千葉市教育長賞,川又賞受賞。第5回K弦楽器コンクール優秀賞。第23回万里の長城杯国際音楽コンクール第4位。霧島国際音楽祭マスタークラス修了。これまでにヴァイオリンを藤原浜雄、川久保賜紀の各氏に師事。現在、桐朋学園大学院大学2年次と桐朋オーケストラ・アカデミー2年次に在籍中。
清水健太郎(しみず・けんたろう)
4歳よりヴァイオリンをはじめる。第65回全日本学生音楽コンクール小学生の部全国大会第2位。ザルツブルク=モーツァルト国際室内楽コンクールin Tokyo 2022特別賞。これまでに、森岡康子、内田輝、宮内道子、漆原朝子、野口千代光、植村太郎の各氏に師事。東京芸術大学音楽学部附属高校を経て、東京藝術大学音楽学部器楽科卒業。現在桐朋オーケストラアカデミー在籍中。
佐藤友希乃(さとう・ゆきの)
3歳よりヴァイオリンを始め、藤澤一彦氏、葉子氏に師事。 第8回セシリア国際音楽コンクール第5位、全日本ジュニアクラシック音楽コンクール奨励賞、万里の長城杯国際音楽コンクール1位及び審査委員長賞受賞。 ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2017丸の内エリアコンサートに出演。 2018年、アルゲリッチ音楽祭東京公演に参加し、東京オペラシティにてチョン・ミョンフン氏と共演。 ヴィオラスペース2019 vol.28の演奏会で、ディーン作曲《Testament》日本初演にヴィオラ奏者として出演。
桐朋女子高等学校音楽科を経て、桐朋学園大学音楽学部を卒業。篠崎功子氏に師事。桐朋学園大学院大学修士課程修了。川久保賜紀氏に師事。桐朋オーケストラ・アカデミー1年を修了。
舘野真梨子(たちの・まりこ)
富山県出身。呉羽高校音楽コース、京都市立芸術大学を卒業。クラシック音楽コンクールチェロ部門大学の部第4位。全日本学生音楽コンクール名古屋大会大学の部第1位。全国大会入選。室内楽ではルーマニア国際音楽コンクールにてセバスチャン賞を受賞。ヴィオラスペースの公開マスタークラスを受講しプロジェクトQ第17章に参加。小澤征爾塾オペラ・プロジェクトⅩⅦのオーケストラメンバーとして参加。
平成30年度公益財団法人青山財団奨学生。チェロを稲見之羽子、大澤明、上村昇、向山佳絵子、銅銀久弥の各氏に師事。桐朋学園大学院大学を修了。現在オーケストラ・アカデミーに在籍。