音楽がメタ認知力(自己認識や自己管理能力)にどのように影響するかは興味深いトピックですね。メタ認知力とは、自己認識、自己管理、そして学習や問題解決における意識的な認知プロセスのことです。人の行動は90%が非意識である、と言われており行動を促進する記憶は脳のあらゆる領域に分散し保管されています。

音楽がメタ認知力に影響を与える可能性

メタ認知力を企業があげたいと考えるのは、自己理解がすすむほど相互理解が浸透し、チームビルディングに役立つからです。また学習する組織(ラーニングオーガニゼーション)は1990年代前後から、とくにスタートアップの大きな課題です。人的資本を大量投下できない以上、現有戦力の維持底上げがゴーイング・コンサーンに必須だからです。

音楽がメタ認知力に与える影響は次のようなものでしょうか。

  1. 注意力と集中力の向上: 音楽を聴くことで注意力や集中力が高まります。これにより、自己認識や自己管理のための意識的なプロセスが効果的に行われやすくなります。
  2. 感情調節: 音楽は感情をコントロールするのに役立ちます。感情の調節がうまくいくと、自己管理能力が向上し、ストレスや不安を管理するためのスキルが発達します。
  3. 反省と振り返り: 音楽を聴くことは、心に静寂をもたらすことがあります。この静寂の中で、自己を振り返ったり反省したりする時間が増えるかもしれません。自己認識や振り返りのプロセスは、メタ認知力の一部です。
  4. 学習と洞察: 音楽は創造性や洞察力を高めることがあります。特に音楽を演奏することや音楽による表現を通じて、自己を理解し表現する能力が向上し、メタ認知力も伴うことがあります。

研究によっては、音楽がメタ認知力を向上させる要因の一つである可能性が示唆されています。ただし、個人差や音楽の種類、環境なども影響するため、一般的な効果として考えるにはさらなる研究が必要です。

どんな音楽がいいのか?

音楽から受ける影響には個人差があります。趣味嗜好がちがうのと同じです。個人差の要因とその影響については次のようなことが考えられます。

  1. 好みや感性: 個々の好みや感性によって、音楽が与える影響が異なります。同じ曲でも、その音楽に対する感情や反応は個人によって異なるため、好みによって影響の程度や性質が異なります。
  2. 文化や環境の違い: 文化や環境の違いによって、音楽の受容性や意味づけが異なります。特定の音楽が特定の文化や社会的背景で重要視されたり、特別な意味を持ったりする場合があります。
  3. 個人の精神状態や健康状態: 個人の精神状態や健康状態によっても音楽の影響は異なります。例えば、ストレスやうつ病、注意力の問題などは音楽の受容性や効果に影響を与える可能性があります。
  4. 音楽のジャンルや特性: 音楽のジャンルや特性(リズム、メロディ、歌詞など)によっても、個人差が生じます。例えば、エネルギッシュな音楽はある人にとっては活力を与える一方で、他の人には興奮を増幅させる可能性があります。
  5. 過去の経験や記憶: 過去の音楽に対する経験や記憶が、現在の音楽の受容に影響を与えることもあります。ある音楽が特定の思い出や感情を呼び起こす場合、その影響は個人によって異なるでしょう。

個人差を考慮することは、音楽療法や音楽の効果を研究する際に重要です。一般的な結論や効果を導く前に、個々の特性や背景がどのように音楽に反応するかを理解することが大切です。

音楽でストレスを緩和するためのヒント

音楽によって受ける影響に個人差があることをお伝えしたところで、音楽を活用してストレスを緩和するためのヒントもお伝えします。

  1. リラックスする音楽を選ぶ: ストレスを緩和するためには、リラックスできる音楽を選びましょう。例えば、ゆったりしたテンポや穏やかなメロディの音楽、自然の音を取り入れた音楽などが効果的です。
  2. 日常の中で聴く習慣を作る: 毎日定期的にリラックス効果のある音楽を聴く習慣をつけると、ストレスを感じたときにすぐにリラックスできるようになります。通勤や家事の際にも音楽を取り入れると効果的です。
  3. 耳を優しくする: 音楽を聴くときは、イヤホンやヘッドフォンを使って外部の騒音を遮断するのよいです。耳にやさしい音質のものを使うことで、音楽の効果をより実感しやすくなります。(とはいえ、イヤフォンをつけたままの運転やジョギングは危険なので、おすすめできません)
  4. 深呼吸と音楽を組み合わせる: 音楽を聴きながら深呼吸や瞑想をすると、リラックス効果が増します。音楽に合わせてゆっくりと深呼吸をすることで、心身の緊張がほぐれます。
  5. 気分に合わせて音楽を選ぶ: 気分によって音楽のジャンルを変えることも大切です。元気を出したいときはアップテンポの音楽を、落ち着きたいときはゆったりした音楽を選んでみてください。
  6. 音楽を楽しむ: 音楽を聴くことを楽しむことがストレス解消のポイントです。楽しんで聴くことで心の安らぎを感じることができます。
  7. 音楽と身体を組み合わせる: 音楽に合わせて軽いストレッチやヨガ、一緒に演奏したり、歌ったりといった行動はリラックス効果がさらに高まります。音楽と身体を組み合わせたアクティビティは、ストレスを解消するのに効果的です。

音楽療法はこうした効果をだすためにプログラムを設計し、音楽療法士がみなさんのまえで療法をおこないます。このとき「生演奏」であることもポイントの一つです。「音=波」だからです。このあたりは次回、くわしく書いてみます。

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