これは採用要項でも、理想論のスローガンでもない。
いまのぼくが、どんな仲間と、どんな組織をつくりたいと考えているのか。その現在地を、正直に書いておきたいと思った。

事業も組織も、結局は「誰とやるか」でほとんど決まってしまう。だからこそ、先に言葉にしておく。
これは「採用」ための文章じゃなくて、ぼくらを選んでもらうための文章


会社フェーズについて

いまのフェーズは、創業初期(〜10名)。常勤役員2名に続く、最初の仲間たち。

働き方としては、正社員メイン。まだ仕組みも余白も多い段階だからこそ、腰を据えて一緒に考え、手を動かせる関係を前提にしたい。


「熱量が高い人」とは、どういう人か

一緒に働きたい人の条件を一言で言うなら、「熱量が高い人」。

ただしこれは、声が大きいとか、テンションが高いという意味じゃない。高温でも低温でもいい

ぼくが考える「熱量」とは、自分の未来を、まだ見えなくても信じていることだ。

行動で言えば、たとえばこんな人。

  • 自分から学びにいく人(拡散気質が高い)
  • 失敗を隠さず共有し、「爆速で改善・挽回」しようとする人
  • フィードバックを歓迎できる人
  • 冷静と熱情のあいだを、自己認識のもとでフラットに行き来できる人

未来がどうなるかなんて誰にもわからない。一寸先は闇、どころか、足元に穴が空いていることだってある。

それでも
「今はまだ何者でもないけど、未来には必ず何者かになっている」
そう思える人と、同じ空気を吸いたい。


これはに、「合わないな」と想像してみた

これは否定ではなく、相性の話。相性?というか当社という組織では活躍できないかもしれないというイメージです。

  • 自分が興味ないことには、露骨に無関心になる
  • 誰かのスキや挑戦に、「否定」から入る
  • ネガティブバイアスに引っ張られやすい
  • 現状維持を最適解にしてしまう
  • 攻撃的な言葉が多い
  • 情報共有ができない、または囲い込む

価値観は人それぞれだけど、このあたりが強い人とは、たぶん長く同じ方向を向けないし、お互いにしんどいかなぁ。


ジュニアとリードの考え方

ジュニアクラスに「求めない」こと

  • 即戦力であること
  • 完璧なアウトプット

経験がないのは当たり前。経験がないと想像ができないので、できなくて当たり前。多くの人は見聞きしたこと、経験したことを脳にためて、引っ張り出して思考行動している。この経験がないからそれはそれでいい。

だからこそ、姿勢が欲しい。キャリアとは([経験]x[知識]x[スキル])×姿勢だから。3ヶ月間あればしっかり動くことができるようなオンボーディングも設計しないとなぁと、書きながら思った。

リードクラスに最低限求めたいこと

  • 行動量と企画力
  • AIを使いこなすリテラシー
  • 高いモラルと圧倒的なスピード
  • 量を追いかける姿勢
  • 再現性のある成果
  • プレイングマネージャー経験

役割が違うだけで、上下ではない。期待値が違う、というだけ。


「やらないこと」も考えてみた

企業文化は、「やること」よりも「やらないこと」で決まると思っている。だから、あらかじめ書き出してみた。

  • 熱量マウント
  • 無意味な残業アピール
  • 情報の囲い込み
  • 感情的な否定
  • ディスカッションOK、人格否定NG
  • 業務時間中の喫煙(禁煙外来に行くなら費用負担する)
  • 性差によるハラスメント
  • 過剰な接待(飲食業の経費はNG)
  • 「ちゃん」呼び
  • 上司が部下を飲みに誘う文化
  • 平日のゴルフ接待
  • 遅刻、会議の締め時間ルーズ

「昔はね」「俺の若い頃はね」が出てきたら、黄色信号だもの。

もうひとつ、これは「やりたいこと」であると同時に、経営としての意思決定でもあるのだけど、ぼくは「健康経営」を志向したいと思っている。

きれいごとでも福利厚生でもなく、事業を立ち上げ、走り続けるための前提条件だと思っているからだ。スタートアップの初期は、とにかく判断が多い。集中力、回復力、冷静さがないと、脳疲労を起こして、正しい意思決定は驚くほど簡単に崩れる。(だから夜中に会議をしてはいけないのです)

無理を称賛する文化や、消耗を前提にした働き方は選ばない。その代わり、ちゃんと食べて、ちゃんと眠って、ちゃんと回復する。脳の健康と肉体の健康を保つことはとても重要なことだと思う。

健康は個人の問題でもあるけれど、同時に組織の生産性に結びつきますしね。


組織の空気感と価値観

大事にしたいのは、シンプル。

  • スピード優先
  • 仮説 → 検証を高速回転

失敗したときの理想の反応は、こんな感じ。

  1. まずチャレンジしたことを称える
  2. 事実を整理する
  3. 要因を列挙し、分析する
  4. 次の一手にすぐ進む

失敗は、責める対象じゃなくて、次の精度を上げるための素材だもの。実際は成功したときも同じなんですよね。


組織づくりについての現在地

これはあくまで、ぼくの現在地。杉ちゃんとも、この組織づくりについては、しっかり話してコンセンサスを取らなきゃいけないしね。

常に意識したいのは、

  • 自己理解を進める
  • 強みを伸ばす
  • 弱みは補完し合う

人材業界が長かった身として、
キャリア形成にも、ストレスマネジメントにも、ストレッサーにも配慮したい。

働きやすく、成果が出る環境をつくること
それ自体が、組織戦略だと思っている。


最後に

これは「理想の会社紹介」でじゃなくて、あくまでも現在考えていることを公開しているだけ。それでも、これを読んで、考え方に「わかる」と共感してくれる人と、一緒に、量と質を追いながら、遠くまで行きたい。

「なにをやるかより、誰とやるか」ってよく使われる言葉だけど、ぼくは「誰と、何を、どうやるか」って最近いっている。もしこの文章を読んで、「ちょっと気になるな」と思ってくれたなら、それだけで、書いた意味はあるのかも。