ぼくはルミアデスを再起動するまえは、ストレスをテーマとした個性分析とストレスマネジメントのアドバイスをおこなってきました。もちろん今でもそちらをおこなっていまして、今日はメンタルウェルビーイングという素敵なコンセプトに触れて、幸せな気分です。さて言葉とは「音」で、音が耳から脳にはいり、人に影響を与えています。生音がいいのは、耳に入る前に空気中をただよう音の波にダイレクトにふれるからですね。

音楽が脳に与える影響

音楽は脳に多岐にわたる影響を与えます。聴くことで感情や記憶を刺激し、心理的なリラクゼーションやストレス軽減に寄与します。ある曲を聞いたとき、過去の光景や香りがよみがえるのは、音が記憶と密接な関係だからですね。

音楽は脳内の神経活動を促進し、学習や認知機能の向上にも役立ちます。特に、音楽のリズムやメロディは脳の活性化や情動制御に影響を及ぼし、集中力や創造性を高める効果もあります。

癒やしとの関係

癒やし、リラクゼーション、ヒーリングミュージックってありますよね。雨音や自然音も人の脳を癒やしてくれます。すぐ「脳」と書くのは、心とは脳がつくりだしているからです。さて、音楽がリラクゼーションに役立つ要因は複数あります。

まず、音楽は心理的なリラクゼーションをもたらすことができるため、ストレスや不安を軽減します。特定の音楽ジャンルや曲のリズム、メロディ、または歌詞は、脳内の神経系にポジティブな影響を与え、心身をリラックスさせてくれます。また、心拍数や呼吸のリズムを調整し、自律神経をバランスさせる効果もあります。音楽を聴くことは、心身を他の外部刺激から解放し、集中力を高めることができるため、リラクゼーションやストレス軽減に貢献すると言われています。

クラシック音楽がいい。は確定?

よくモーツァルトがいい、と言われますよね。結論は、人によって異なる、です。しかもそのときどきの環境でもちがいます。音楽を外的刺激、聞いたときの情動を内的刺激とするなら、その刺激をうけた状態のことは「ストレス」といいます。ちなみにストレスの存在を明らかにしたのは、ハンス・セリエという内分泌学者ですがこの件はまた別の機会に。

特定の音楽ジャンルやリズムがリラクゼーションに最適かどうかは、冒頭でかいたように、個々の好みや体験によって異なります。しかし一般的には、ゆったりとしたテンポや穏やかなメロディを持つ音楽がリラクゼーションに効果的と言われています。

このコンテクストで、クラシック音楽やジャズ、アンビエント音楽、自然音、またはヒーリングミュージックがいいのでは?と挙げられます。某ストリーミングのプレイリストにもよく挙げられていますよね。

アルファ波やシータ波、1/fゆらぎを誘発すると言われる特定のリズムや音楽もリラクゼーションに役立つといわれています。重要なのは、自分自身がその音楽を楽しめるかどうかであり、個々の体験に合った音楽を見つけることが重要です。

脳とストレスって関係あるの?

まず心とは脳が作り出しているものです。よって心=脳(とくに前頭前野)になります。この脳とストレスの関係はとても複雑で、脳神経科学の分野でもほとんどなにもわからない、そして毎日新しいことがわかった、という状況だそうです。

人は内外から刺激をうけると、脳内でストレス反応がおきます。さまざまな領域と神経伝達物質によって調節がおきます。刺激によってストレスが発生すると、脳は視床下部-下垂体-副腎軸(HPA軸)や交感神経系を介して反応し、ストレスホルモンや神経伝達物質(例えば、コルチゾールやアドレナリン)を放出します。

これが身体に影響を及ぼすことをハンス・セリエは全身適応症候群として、「ストレス」といい、心身に歪みが生じることを研究していました。ストレスにはいいストレスと悪いストレスがあって、私達は悪いストレスのほうに気づきやすいのです。

長期的な悪いストレスは、脳の機能や構造に影響を与える可能性があります。例えば、ストレスは海馬や前頭前野などの脳の特定の領域を損傷する可能性があり、記憶や感情制御に影響を与えることがあるそうです。また、慢性的なストレスは神経伝達物質のバランスを乱し、精神疾患のリスクを高める可能性があります。精神疾患とはなんですか?というと脳の疾患です。心=脳ですから「気の持ちよう」は違っていて、脳という臓器が損傷しているのですね。

一方で、適切なストレス管理やリラックスする方法(例えば、運動、メディテーション、音楽療法など)を取り入れることで、脳のストレス応答を調整し、健康な状態を維持することができると言われています。

音楽療法はストレス緩和にもいいの?

結論ありきですが、音楽療法はストレス緩和に非常に効果的です。音楽は感情を調整し、リラックスさせることができるため、ストレスや不安を軽減するのに役立ちます。ネガティブな反応を緩和できる、とでも言うのでしょうか。

リラックス効果をもたらす音楽は、通常、ゆったりとしたテンポ、穏やかなメロディ、または自然音を含むことが多いです。音楽を聴くだけでなく、音楽を演奏したり、リズムに合わせて身体を動かしたりすることも、ストレスを和らげるのに役立ちます。

心身の健康を促進し、精神的なリフレッシュやストレスの軽減だけでなく、ストレスに関連する症状や障害の治療にも利用されます。現放課後等デイサービスや福祉施設、病院等で導入されています。ただ、脳のことですから外から第三者は見えないのですよね。

音楽療法は個々のニーズや状況に合わせてカスタマイズされるため、様々な形態で提供されることがあります。緊張状態の緩和やリラクゼーションのために、音楽療法は心理的な安定感や心身の調和をもたらすことができます。

もし企業が音楽療法を導入したら

思いつくままに列挙するなら次のような効果が考えられます

  1. ストレス軽減:音楽療法は従業員のストレスを軽減し、心身のリフレッシュを促進します。ストレスの軽減は、生産性の向上や職場の雰囲気改善につながります。
  2. ワーク・ライフ・バランスの向上:音楽療法はリラクゼーションやストレス軽減を促進するため、従業員が仕事とプライベートのバランスを取るのに役立ちます。これは従業員の幸福感や満足度を高め、離職率を低下させる効果があります。
  3. チームビルディングとコミュニケーションの促進:音楽療法は従業員間のコミュニケーションを促進し、チームビルディングを支援します。共同で音楽を演奏する経験は、協力や信頼の構築に役立ちます。
  4. クリエイティビティとイノベーションの促進:音楽療法は創造性を高め、従業員のクリエイティビティやイノベーションを促進することができます。新しいアイデアやアプローチを生み出すためのインスピレーションを提供します。

SDGsとの関連づけ

  1. 健康と福祉(SDG 3): 音楽療法は健康促進や心の健康を支援することに役立ちます。従業員のストレス軽減や心身のリフレッシュを促進することで、健康で幸福な働き手を育成することができます。
  2. 働きがいのある仕事と経済成長(SDG 8): 従業員がストレスを軽減し、ワーク・ライフ・バランスを改善することは、働きがいのある仕事を推進し、生産性を向上させることにつながります。
  3. 持続可能な都市とコミュニティ(SDG 11): 企業が音楽療法を取り入れることで、従業員間のコミュニケーションやチームワークが促進され、組織内のコミュニティ感が強化されます。
  4. 品質向上のための持続可能な消費と生産パターン(SDG 12): 音楽療法は、従業員の生産性向上やイノベーション促進に貢献し、組織内での効率的な労働力の活用を支援します。

持続可能な開発目標の達成に向けた取り組みの一環として、従業員の健康と幸福を促進することに貢献、こうするとWell-beingにもつながりそうです。

社内で起きそうな変化

より具体化すると下記のようなことが起きそうですね。

  1. 従業員の意識と参加: 音楽療法の導入に関する情報セッションやワークショップが開催され、従業員がそのプログラムに参加するための意識が高まります。
  2. 音楽セッションの提供: 専門の音楽療法士を雇用し、従業員向けの音楽セッションやプログラムが提供可能になります。これには、音楽演奏やリラクゼーションテクニックを含むことがあります。
  3. 福利厚生の一部: 音楽療法が企業の福利厚生プログラムの一部として組み込まれ、従業員が利用できる福利厚生の一環として提供されます。
  4. 効果の評価と調整: 導入後、企業は音楽療法プログラムの効果を定期的に評価し、必要に応じてプログラムを調整して最適な結果を得るよう努めます。
  5. 組織文化への影響: 音楽療法の導入により、組織文化がよりリラックスし、協力的なものに変化する可能性があります。従業員の間でのコミュニケーションや協力が促進されることがあります。

音楽のチカラ。とよく見聞きしますが具体的にわたし達の営みにどう寄与するのかを考えるのはとても楽しいですね。

  • 音楽は感情を表現し、共有するための強力な手段です。喜び、悲しみ、愛、希望など、さまざまな感情を引き出すことができます。
  • 音楽はリラクゼーションやストレス軽減に役立ちます。穏やかなメロディやリズムは心身をリフレッシュし、心の安定をもたらします。祭りもそうかもしれませんね。能楽ももともとは田楽といって豊作を祝う儀式だったそうです。
  • 音楽は人々を結びつけ、コミュニケーションを促進することもあります。共通の音楽の好みや共演の経験は、人々をつなぎ、協力や連帯感を高めます。
  • 音楽は記憶と学習のプロセスを支援し、情報インプットや記憶の定着を促進します。特にリズムやメロディを用いた学習は効果的だと言われています。
  • 音楽はクリエイティビティを刺激し、新しいアイデアや視点を生み出す助けとなります。音楽の制作や演奏は、創造性を発揮する機会を提供します。

長くなりましたが、音楽は私たちの生活において重要な役割を果たし、様々な面で私たちの心と精神に影響を与えてくれますね。

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