「個の時代だから、ホームページいらない」「SNSで十分」という声をいただきつつ、個人ウェブサイトをもつクラシック音楽奏者がふえつつあります。「ホームページ必要ですか?」と聞かれることもあるのですが、今回は、いったんNFTを離れて、フリーランスで活動するクラシック音楽奏者にとって、自身の才能とキャリア、そしてこれからを発信する手段としてのホームページについて書いてみます。

1.専門性と信頼性の向上

取引をはじめるとき、事前に相手のことを調べるときサーチします。ショップやコスメなどはタグ検索が主流ですが、商取引においては検索エンジン流入が多いです。アクセス解析すればすぐに分かります。

そこでクラシック音楽奏者のホームページは、専門性と信頼性を示す場とになります。企業取引においてDMはあまり用いられません。またSNSでは限られた情報しか伝えられないことが多いのですが、ホームページでは詳細な経歴、演奏歴、受賞歴などを紹介でき、訪れた人に深い印象を与えることができます。これは、コンサートのブッキング担当者やイベントオーガナイザーにとって、信頼できる情報源となり得ます。そもそも「ないとみつからない」のです。

2.コンテンツをコントロールする

SNSプラットフォームは、使用規約の変更やアルゴリズムの更新により、あなたのコンテンツの見え方が大きく変わることがあります。一方、自分のホームページでは、どのように情報を表示するかを完全にコントロールできます。これにより、自分のアイデンティティやブランドを一貫して伝えることが可能です。

3. 集客とSEO(検索エンジン最適化)

ホームページはSEOによって、Googleなどの検索エンジンでの視認性を高めることができます。特定のキーワードで上位に表示させることにより、新規のファンや仕事のオファーを得るチャンスが広がります。また、SNSと連携させることで、さらにアクセスを増やすことができます。

4. 直接的なファンとのコミュニケーション

ホームページ上でメーリングリストを作成し、ニュースレターやコンサート情報を直接ファンに送ることができます。これにより、SNSのフィードに依存することなく、直接的かつ個人的な方法でファンとの関係を深めることが可能になります。

5. 収益化の機会

ホームページを通じて、楽譜の販売、オンラインでのマスタークラス、デジタルコンサートチケットの販売など、様々な収益化の機会を設けることができます。これらはSNSだけでは実現しにくいことであり、直接的な収益源として機能します。

結論

SNSプラットフォームは、使用規約の変更やアルゴリズムの更新により、コンテンツの見え方が大きく変わることがあります。Twitterが経営体制の変化によりアルゴリズムが大きく変わったことや、Instagram(Meta)も大きな影響を受けているのはご存知かと思います。一方、自分のホームページでは、どのように情報を表示するかを完全にコントロールできます。これにより、自分のアイデンティティやブランドを一貫して伝えることが可能です。

補足:プラットフォーム依存について

プラットフォームに依存することの危険性は、フリーランスのクラシック音楽奏者にとって重要な考慮事項です。以下に主なリスクを挙げてみますね

  1. プラットフォームのポリシー変更: デジタルプラットフォームは頻繁にポリシーを更新し、これが利用者に直接影響を及ぼすことがあります。たとえば、収益化の基準が変更されたり、コンテンツの公開ルールが厳格化されたりすることがあります。これにより、突然収入が減少したり、コンテンツが削除されたりするリスクが生じます。
  2. アルゴリズムの変更: 多くのプラットフォームは、コンテンツがどのように表示されるかを決定するためにアルゴリズムを使用しています。アルゴリズムの変更が頻繁に行われると、一度は良好だったインプレッションが突然低下することがあります。これは、フォロワーや潜在的な顧客との接触機会の減少につながります。(XやInstagramで起きているのはこれです)
  3. データの制御喪失: プラットフォーム上で活動すると、ユーザーデータ(フォロワーの情報や行動パターンなど)の完全なコントロールを持つことができません。プラットフォームが閉鎖されたり、サービスが中断されたりすると、重要なデータアクセスを失う可能性があります。データエクスポートができないサービス利用の際には、注意してください。
  4. 競合との差別化の難しさ: 一つのプラットフォームに多くのアーティストやクリエーターが集まると、そこで自分を際立たせることがより困難になります。同じようなスタイルやジャンルの多くの競合と直接競争することになるため、個々のアーティストの独自性が薄れがちです。
  5. 最大のリスク: プラットフォームに頼りすぎると、自分自身のウェブサイトや他のマーケティング手法を疎かにすることがあります。これにより、マーケティングの多様性が失われ、特定のプラットフォームが問題を抱えた際に大きな打撃を受けることになります。

とくにSNSは衆人監視のコミュニケーションツールです。ここでの立ち居振る舞いは可燃性が高いものです。どういう人格で振る舞うかはきちんと決めておいたほうがよいです。とくにネガティブな言動や攻撃性が高いものは、聴者もみているため、著しくイメージダウンに繋がります。また匂わせであれ攻撃性がたかいものは訴訟につながることがあります。発信元は簡単に特定できます。これらのリスクを考慮すると、自分のウェブサイトを持ち、SNS含む、複数のプラットフォームを活用するバランスの取れたアプローチが推奨されます。これにより、リスクを分散し、より持続可能なキャリアを築くことが可能になります。

で。無料ホームページ制作サービスをつかってもいいの?

無料のホームページ制作サービスを使用することは、特に予算が限られている場合や、プロフェッショナルなウェブデザインスキルがない場合に有効な選択肢です。以下にそのメリットとデメリットを挙げます。

メリット

  1. コスト削減: 無料サービスは初期費用が不要なため、特にスタートアップや個人プロジェクトに適しています。
  2. 使いやすさ: 多くの無料サービスはドラッグアンドドロップのインターフェースを提供しており、技術的なスキルがなくても直感的に操作できます。
  3. 即時利用可能: 登録から短時間でウェブサイトを設定し、運用を開始できます。

デメリット

  1. 広告の表示: 無料プランでは、あなたのページにサービス提供者の広告が表示される場合があります。これによってサイトの見栄えが悪くなる可能性があります。
  2. 機能の制限: 無料プランでは、使用できるデザインテンプレートや機能が制限されることがあります。必要な機能が含まれているか事前に確認が必要です。
  3. 専有ドメインの使用不可: 無料プランでは独自ドメインを使用できず、サービス提供者のサブドメインが付与されることが一般的です。これにより、ウェブサイトのプロフェッショナル感が損なわれる場合があります。
  4. 拡張性とカスタマイズの限界: ビジネスが成長するにつれて、ウェブサイトに対する要求も高まりますが、無料サービスではその要求に応えるのが難しくなることがあります。

無料サービスを使う場合は、これらを考慮し、将来的にアップグレードが可能なプランを選ぶことをお勧めします。さらに、あなたのキャリアやビジネスの目標に合った機能を提供するサービスを選択することが重要です。

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