「スキをスキと言える社会を創る」。
そんな衝動から始めたNFT事業。けれど当然、聞かれるのは「そこに市場はあるのかい?」という問い。今回は、感情だけでなく数字の側面から、ぼくらがNFTとRWAに挑む理由を書きたい。
感情と市場のはざまで
前回の記事では、好きな音楽やアート、推しへの思いといった“Sweet Emotion”を出発点にした。
だが、ミッションだけじゃ事業は回らない。というか、ミッションを起点に事業展開していくのが経営者の役割だ。ご相談をいただきはじめたころ取締役の杉ちゃんがポツリと「これものすごいJカーブ描くんじゃない?」「ヤバい、ものすごく面白いかも」「社会貢献性高くない?」と言い出した。この言葉をきいて、ぼくは手応えというか、確信めいた感覚が脳に広がった。
たった二人ではじめているからこそ、パートナーのエモーショナルが上がってくるのは最高だ。そして「市場は本当にあるのか?」という問いへの自答として、冷静な数字を提示するのもぼくたちの責任だと改めて思った。
「NFTってイケるの?」とシンプルな問いが増えてきたからこそ改めてエントリーしておきたい。
世界のNFT市場の現状と動向
- NFTの取引額は2021年に約249億ドル。2020年の0.95億ドルから爆発的に拡大した
DemandSage「NFT Statistics」 - 2023年のNFT市場規模は約269億ドル、2030年には2117億ドルに成長すると予測されている(年平均成長率34.5%)
Grand View Research「NFT Market Report」 - 2023年Q1にはNFT取引量が約39億ドルに回復し、再び市場が息を吹き返しつつある
MarketWatch「NFTs see some resurgence」
NFTは「終わった話題」ではなく、利用領域を広げながら再び立ち上がりつつある。
RWA(現実資産)のトークン化市場
NFT以上に注目されているのが、RWA(Real World Asset)のトークン化だ。
- BCGは2030年までにRWA市場が16兆ドル規模に達すると予測
Digital Currency Traders - McKinseyの推計では2兆〜4兆ドル規模
Wikipedia「Asset tokenization」 - RWAトークンファンドのAUMは5年以内に6000億ドルに達する可能性
Cointelegraph - RippleとBCGの共同調査では2033年に18.9兆ドルへ
Ledger Insights
不動産、IP、美術品など、既存の巨大市場にブロックチェーンを重ねる動きが現実化している。
日本国内NFT市場の現実と可能性
海外の話題ばかりが目立つNFTだが、日本国内の市場データを見ると、確かな成長の兆しが見えてきます。
- 2024年の日本NFT市場規模は約631.1百万USD(約860億円)。2030年には6,635.7百万USD(約9,050億円)に達すると予測。年平均成長率は39.9%。
Grand View Research「Japan NFT Market Size」 - 国内NFT取引総額は2021〜2022年に急上昇し、ピーク時には数兆円規模に。購買ユーザー数は20〜30万人規模を推移。
Pacific Meta「NFT市場動向」
MicroCMS「数値で見るNFT市場動向」 - ブロックチェーン市場全体は2030年に約58兆円規模に拡大する見通し
NTTデータ経営研究所「ブロックチェーン市場予測」

出典:Grand View Research「Japan NFT Market Size」
つまり、日本もまた「世界の波に確実に乗っている」と思いませんか?
なぜ、ぼくらがやるのか
NFTはファン文化の文脈で語られ、RWAは金融文脈で語られる。この二つはまだ「別の世界」に見られがち。けれど、実際は地続きだと思う。推しのライブも、古民家も、名画も、伝統も。すべて「大切にしたい資産」であることに違いはない。
ぼくらは、感情価値と資産価値を同じ器に入れることで、文化と経済をつなぐインフラをつくりたい。もちろんNFTレーベルをつくり、CDよりも手軽に音源リリースが可能なしくみをつくり、クラシック音楽家に還元できる仕組みづくりも進めたいところ。
そこに市場はあるのか?
結論から言えば、ある。NFT市場は成長の第二幕を迎え、RWA市場はこれから数十兆ドル規模に拡大する。日本市場も年平均40%近い成長率を予測されている。
「感情が動くから経済が動く」。数字はその裏づけにすぎない。
Sweet Emotion を市場に変える
「スキ」は経済を動かすエネルギーになる。
「資産」は、人が思う以上に感情的だ。
その二つが交差したとき、Sweet Emotion は確かに市場になる。ぼくらはNFTでその器をつくり、RWAでその中身を満たしていく。
そして、そのはじまりはいつだって、あの日の音楽や絵画や笑顔、熱狂にある。

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